ファッションに詳しくない人でも『なんか黒い恰好』というビジュアルを連想できることが多い「モード」という価値観。
この価値観は、1981年のパリコレクションに巻き起こった “黒の衝撃” から世界中に広がりました。
その世界的なムーブメントの中心にいたのが、「コムデ・ギャルソン」。
そして、「ヨウジヤマモト」です。
ヨウジヤマモトはデビューから現在に至るまで、ファッションやジェンダーの固定観念に反骨精神を向け続けながら、様々なプロダクトを発表中。
一方で、アディダスやニューエラ、ポーターなど様々なブランドとコラボレーションをする姿勢に「ものづくりに対するリスペクト」が垣間見えることも。
今回の記事では、設立者でありデザイナーでもある山本耀司さんが言うところの、“媒体としての共犯者”として、「ヨウジヤマモト」について紹介していければと思います。
ヨウジヤマモトとは? 山本耀司とは?
「ヨウジヤマモト」は、デザイナー・山本耀司さんが手掛けるファッションブランドです。
『トレンドを歩くことはしない』
『社会に対して溢れる、“きれいな言葉”では伝わらないモノを「服」という形で吐き出している』
そんな風に語る山本耀司さんの世界観は、実際、1981年のパリコレクションで「まるで広島の原爆を彷彿とさせるようだ」と表現されるほどの激しい賛否両論を巻き起こしました。
![2014年の伊勢丹新宿店にて、アクセサリーブランド『ディスコード』を先行販売する際に登壇された様子。](https://www.fashion-headline.com/images/migration/2014/05/2e68b3e2ce7408592295f0a6855b2539.jpg)
パリコレクションの“黒の衝撃”から40年。
変わることのない「固定観念に反骨精神を向けずにはいられない想い」の根底にあるのは、一般社会への憤り。
幼少期、“戦争から帰ってこなかった父”を待ち続ける母に、葬式をやらせた親戚の大人たちに対する憤りが、山本耀司さんのクリエーション、そして生き方の方向性を決定してしまったと語っています。
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自身の服作りなどについて語るVOUDEのインタビュー記事はコチラ。>> |
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山本耀司さんの“反逆児”の一面に迫るインタビュー記事はコチラ。>> |
「ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)」は、レディースのシリーズライン
現在、ヨウジヤマモトでは多くのシリーズラインが展開されているため、ブランド全体(もしくは山本耀司さんの世界観)を指すワードとして「ヨウジヤマモト」と表現することもありますが、
本来の「ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)」が意味するのは、レディースのハイエンドラインのことです。
![ヨウジヤマモトのイメージど真ん中のアイテム。すなわち「黒&ビッグシルエット」を探している場合は、「Yohji Yamamoto(無印)」のシリーズラインを要チェックです。](https://www.yohjiyamamoto.co.jp/wp/wp-content/uploads/2021/10/LOOK-11-COPYRIGHT-MONICA-FEUDI.jpg)
メンズラインの「ヨウジヤマモト」を探すなら「POUR HOMME」と「COSTUME D’HOMME」
勿論、メンズラインも展開中。
「ヨウジヤマモト・プールオム(Yohji Yamamoto POUR HOMME)」は、1984年のパリコレクションから続く「ヨウジヤマモト」のメンズラインの1つ。
『社会という規範に縛られていないからこそ“何者なのか、わからない”』。山本耀司さんが考える、そんな男性像が表現されています。
また、メンズラインの根底には「一緒に着ようぜ」という山本耀司さんの想い(テーマ)があるとされています。確かに、山本耀司さんのファンションも、この感じですよね。
![個人的に松重豊さんファンなのですが、いやー凄かったですよね。誇張でも誤魔化しでもなく、今の外見(年齢)と服装が一体となって「イケオジ感」を発している感に、ファッションてこういう物なのだろうなと改めて思う衝撃がありました。](https://www.yohjiyamamoto.co.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/Look12_Yutaka-Matsushige.jpeg)
2022の秋冬コレクションは、パリメンズファッションウィークの公式スケジュールに則りつつ、ヨウジヤマモト青山店にて開催。
松重豊さんや仲村トオルさんなど、5人の俳優がランウェイを歩き大きな反響を呼びました。
「ヨウジヤマモト」とのコラボレーションアイテム5選
ここからは、「ヨウジヤマモト」がコラボレーションしたブランドや商品を紹介していこうと思います。
「アディダス」の技術イノベーション×「ヨウジヤマモト」の反骨精神
「アディダス」の技術的イノベーションと、山本耀司さんの精神的イノベーションを掛け合わせる形で、ファッションの世界に新しい風を送りこんでいます。
『ドクターマーチンだけど、ドクターマーチンじゃない』ひと味違うメンズブーツ
象徴的な“イエローカラー”のソールを、ライトグレーに変更。ステッチやヒールストラップの色味に「いつものドクターマーチン感(見知った顔感)」を覚えつつも、ブーツ全体の印象は全く異なる方向を向くように様変わりしていますね。顔馴染みが髪の色をガラッと変えて現れたような衝撃(「おお!どうした。いいじゃん」)といった感じです。
ホールの一番上にあるハトメにのみ、メタルをいれたアクセントも、どこか「あえてココだけ変更する」という挑戦的な印象を感じる仕上がりになっていますね。
自由さと、自由さの裏側にある責任を「黒の中に込める」ストリートコラボ
大人ストリートの欠かせない存在である、ニューエラキャップなどに、ヨウジヤマモトのシグニチャをプリント。
いわゆる“ヤンチャさ”の中に、ストリート本来の反骨精神を思い出すかのような、シンプルなコラボレーションアイテムと言えます。
『お洒落は我慢』に対する反逆心を形にした、日本製のプロダクト
ドレーピングで魅せるヨウジヤマモトの世界観をベースに、インダスタイルトウキョウによる「動体裁断+動体縫製®」のエッセンスを追加。
オリンピック選手の競技ウェアにも採用される「動体裁断®」による、最高の着心地を実現しています。
『お洒落は我慢』なんて一般的な常識など知らんと言わんばかりに、格好良さ・お洒落と着心地の良さを追求したプロダクトに仕上がっています。
チェーンの曲線に込められた、ヨウジヤヤマモトの分量感
ヨウジヤマモトの世界観に欠かせない“分量感”を、たゆむチェーンで表現した「あぁ~、なるほど」とう具合に、納得させられてしまうようなメンズバッグです。
牡丹の花をモチーフにしたiPhoneケース
コラボレーションの時期が随分前なので、現在は完売状態なのはご了承くださいませ。
あとがき
以上、「ヨウジヤマモト」について、簡単にですが紹介しました。
ファッションの歴史に大きな足跡を残した後も、精力的に反骨精神を発し続けるヨウジヤマモト。
ヨウジヤマモトの世界観に興味がある方は、是非、チェックしてみてくださいね。
『紳士のシャツ』編集部、玄木がお送りしました。
ではまた。