第3回:【染め編】
自然から授かる、四つの色彩
自分たちの手で収穫した綿花が糸になり、いよいよ真っ白な生地へと編み上がりました。 この「始まりの白」に、私たちは日本の豊かな自然の色を重ねることにしました。
私たちが取り入れたのは、普段口にしている植物を食べ物へと加工する過程で生まれるものを活用する染色です。 加工の過程で捨てられてしまう皮や実から、驚くほど深みのある色が生まれます。
熟練の職人が、自然の恵みを生地へと定着させていきます
一着に宿る、豊かな物語
綿本来が持つ柔らかさと純粋さを引き出した、このプロジェクトの原点。 不純物を取り除いた「始まりの白」は、凛とした美しさを放ちます。 使う人の感性で完成する、ありのままの色合いです。
国産「栗きんとん」を作る際に出る鬼皮を染料にしました。 驚くのはその染め上がり。茶色ではなく、繊細な「グレートーン」に仕上がります。 木立に差し込む光のような、上品で落ち着いた温かみを感じる灰色です。
長野県軽井沢産のブルーベリーの皮や実を活用。 透明感のある、淡い紫がかった青色が定着しました。 まるで朝霧の軽井沢を思わせる静かな印象で、ナチュラルながらもどこかモダンな表情を見せてくれます。
岐阜県飛騨地方産のえごま油を搾ったあとの実を染料としました。 仕上がったのは、日差しを閉じ込めたような優しい黄色。 光に透かすとほんのりと黄金色に揺らめく、しっとりとした温もりを感じる風合いです。
食べ物として親しんできた植物が、新しい命を得る。その一着には、育てた地の風や、育んだ人の想いが色となって宿っています。どれも派手さはありませんが、袖を通すたびに心が穏やかになるような、優しい色彩です。









