第2回:【栽培編】
芽吹きの奇跡と、弾ける白
2024年4月25日。私たちは祈るような気持ちで綿花の種を蒔きました。 農家さんから聞いていた「昨年はほとんど芽が出なかった」という言葉が、ずっと胸をよぎっていました。
しかし、自然の生命力は私たちの想像を超えていました。沈黙を続けていた土から、小さな、しかし力強い双葉が顔を出したのです。
無事に芽が出た安堵感とともに、季節は夏へ。7月の後半、畑には可憐な綿の花が咲き誇りました。
淡いクリーム色の花が、日本の強い陽射しを浴びて揺れる光景。 それは、この地で「和の生地」が生まれる確かな予感でした。
2024年12月7日、収穫の朝
季節は巡り、12月。当日の天気は雲ひとつない超快晴。気温は13度と少し肌寒いものの、絶好の綿摘み日和です。
この日は、私たち社員だけでなく、インダスタイルを愛用してくださっているお客様も東京や各地から駆けつけてくれました。 総勢26名での収穫イベント。 大人も子供も、弾けたばかりのふわふわした綿を手にとり、1つ1つ収穫していきました。
糸を紡ぎ、日本生まれの生地へ
収穫した綿は、そのままでは服になりません。 私たちは「神木庵」を訪ね、古くから伝わる伝統的な道具を使って、綿から種を取り出す「綿繰り(わたくり)」や、糸を紡ぐ体験をしました。
手作業で糸を撚り合わせ、機(はた)で織りなしていく工程。 気の遠くなるような手間暇をかけて、ようやく「生地」という形が見えてきました。
自分たちの手で種を蒔き、育て、収穫した綿が、いま確かな「日本生まれの生地」になろうとしています。









